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強みの過剰使用が招いた悲劇『マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙』

政界引退後、認知症を患うマーガレットの実生活と重ね合わせながら、彼女のこれまでたどってきた政治家、妻としての半生を振り返る構成で物語が進んでいく。

すでに亡くなっている夫デニスが幻覚としてマーガレットと生活をともにしているという設定であり、彼とのやり取りの中で、政治家としての生活を優先するあまり、妻として母としての役割を放棄して来た葛藤も描かれていて、タイトルにもなっている”鉄の女の涙”の意味がわかる。

それにしても、今年の4月に87歳で亡くなったサッチャー元首相ですが、認知症を患っていたという事実は本当に驚きでした。

76年当時、共産主義に断固として反対していたサッチャーのそのあまりにも強硬な性格を揶揄して、ソ連のメディアがサッチャーを「鉄の女」と名づけたという話はあまりにも有名ですよね。

しかしあまりにも強い意志を持ちすぎる故の傲慢な態度が原因で、味方だった人たちが徐々に彼女から離れていき、次第に孤立していく姿は本当にいたたまれなかったなぁ。

サッチャーほど有能な人なら、強みの過剰使用は生産性を下げるということに気づいていたはず。”信念は時として人を歪めてしまう”とはこういうことなのかも。

でも自分にも他人にも一切の妥協を許さず、他人の冷たい視線や批判的な発言も気にせずに自分の信じたことを最後までやり通すことがどれほどしんどいことか…。そんな茨の道を敢えて選択したサッチャーはやっぱり超偉人なわけです。映画「マネーボール」の主人公と被るところがあるかな。

最後にメリル・ストリープが演じるサッチャーが劇中で言い放った最高にオーマイガッな名言を紹介。この名言が刺さった方、お友達になりませんか?

「重要なのは”どう感じるか”ではなく”どう考えるか”です。

その人の考えが言葉になり、言葉は行動になり、行動は習慣になり、習慣は人格になり、人格は運命になる。考えがその人を創るのです」

しっ、しびれる。

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