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世界で初めての教育プログラム『ちいさな哲学者たち』

フランスの*ZEP(教育優先地区)にあるジャック・プレヴェール幼稚園で実施されている「哲学の授業」のドキュメンタリー。映画では、3歳で哲学を始めた子供たちが、5歳で卒園するまでの2年間に渡る成長の様子を追っています。

*ZEP(教育優先地区):小学校、中学校、高等学校で教育の成果が上がりにくい地域で生活する2歳から16歳までの子供たちを援助するさまざまな対策。1クラス25名以下の少人数制で、芸術文化に関するプログラムを充実させること等が決められています。

ちなみこの幼稚園の名前は、詩人ジャック・プレヴェールの名前です。

実はまだ観ていないのですが、予告編の中で子供たちがこんなやりとりをしてるんだから、そりゃもう間違いないでしょう。

「子供たちは完全に無反応」

「沈黙が続いて不安だったわ」

という先生の言葉からもわかるように「2歳の子供に哲学なんて授業が成り立たないのでは」と最初はみんなが不安だったのでしょう。

「友達とは?」⇒「友達は一緒に遊ぶ」

「恋人はキスするの?」⇒「キャー(恥)」

なんていう子供らしい会話から、次第に自ら

「知りたいわ、貧しい人はどうやって貧しくなるの?」

なんて、社会の問題について自ら問いかけるようになるようです。

また答えた子供に反論する子に対して

「彼の話を聞けよ」なんて、ちゃんと他者の意見を聞くことの大切さを子供が諭す場面も。

先生、親、地区全体が協力することで実現できた哲学の授業

家での会話で親が子供に「来週の哲学は何がいい?」と聞くと、子供が「”親は何の役に立つのか”」と答えるところなんてシビアでサイコーじゃないですか。先生と親も会話の中で自分たちも楽しみながら子供たちの考える力を引き出している姿が印象に残りました。(予告編観ただけでですよ)

親はこの哲学のクラスの話題をきっかけに、子どもが何を考え、どう感じているのかを知り、子供にどんな言葉を返せばよいのかを真摯に考えることで、実は親も成長するという効果があるようです。

「哲学のクラスをはじめます」の一言から始まるフランスの小さな幼稚園で行われた大きな試みですが、この子どもたちにとっては「このクラスから人生がはじまる」のでしょう。

実際に哲学の授業を行っている先生パスカリーヌ・ドリアニは、近くの都市ムランにある「教員養成大学校」(IUFM)で学び、12年にわたって幼稚園の教師をつとめ、2007年からは、3歳から5歳の子どもたちを対象に、月に数回「哲学のアトリエ」を開いてきたそうですが、このクラスを始めるにあたっては、そうとう地道な努力が背景にあるようです。詳しくは「ムッシュKの日々の便り」で詳しく紹介されています。

他にも哲学を通して高校生たちに生き方の選択を教える映画「デンジャラスマインド」をこのブログで紹介しています。

それにしてもこの「ちいさな哲学者たち」は文部科学省選定の映画となっていますが、日本のキャリア教育を本気で考えるべき省の方たちはこの映画を観て何かを感じてくれたのでしょうか。

予告編MOVIE