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【海外教育】フランスの教育システムに失望した起業家が自費で設立した専門学校

個人の自由を尊重するお国柄フランスは個人レベルでやることのスケールがデカイ。

フランスの教育システムに失望した起業家のXavier Niel氏が約9000万ドル(約88億円)を投資して、コンピュータ専門学校「42」をパリに設立。

募集人数800人に対して応募者が約6万人という大人気の専門学校だそうで、その人気の理由は、教師不在で生徒に主導権が与えられ、生徒同士が助け合いながら問題を解決するといった、独自の指導システムにあるようです。

入学条件は18~30歳であることだけで受験料は一切かからず学歴も問われませんが、試験期間は4カ月とかなりの長期間。

なぜなら42の教育目的の1つは、義務教育のレールを外れてしまった子どもたちのなかから埋もれている才能を発掘することであり、試験内容は知識などを問うテストではなく、「どうやって考えるか?」について重点を置き、入学者をじっくり時間をかけて選び抜く必要があるためだからだそうです。

妥協することなく本気で理想の教育システムを実現しようとすれば、本当はこれくらい手間暇をかけるべきなのかもしれません。

それにしてもフランスってキャリア教育が充実しているような気がしていましたが(勝手な思い込み)、どうやら日本と同じ、いやそれ以上にキャリア教育を受けられる条件は厳しいようです。

フランスの若年層の就職率は上昇する気配を見せない一方、IT業界は人材不足に陥っています。42の創設者であるNiel氏は「労働者階級の家庭に生まれた子どもは、労働者階級から抜け出すことはできません。エリートの家庭に生まれればエリート街道まっしぐらです。フランスの教育システムは崩壊しており、毎年20万人の子どもが義務教育を修了せずに社会に出て行きます。私はそのような子どもたちに救いの手をさしのべ、新たなチャンスを与えたいのです」
出典:学費無料で教師不在、生徒同士で教え合うことで考える力を育てる学校「42」-GIGAZIN

と、42の創設者であるNiel氏は創設の目的をこのように語っていました。

日本の教育システムに失望した起業家に期待すること

日本では低学歴で社会に出た場合、中堅・大手企業に応募すらできません。その企業が手掛けている仕事がやりたくても、どれほど知識やポテンシャル、応用可能な経験を積んできても、チャンスさえ与えられることがないのです(一部の業界や会社は学歴不問という場合もありますが)。低学歴で社会に出た場合、その後低所得階級から抜け出すのは容易ではありません。。

でも”大卒”であれば、どれほどレベルの低い大学であっても”大卒”というだけで応募するチャンスは与えられているのです(応募後に大学名によってフィルタはかけられているかもしれませんが)。

これまでのように若年層全体数が十分だった時代は、デキル子だけに手をかけていれば一定数の頭脳労働人材は確保できていましたが、そもそもデキル子は自主性に任せれば自力で才能を伸ばせます。

そういえば以前「【キャリア教育】授業は教科書ではなくすべてiPad。いつ登校してもOKの初等教育がオランダに出現! 」でも紹介した、母として両国の教育、文化にかかわるフィンランド人板根シルク氏が記事の中で”フィンランドと日本の教育の違い”についてこのように語っていました。

フィンランドの教育が、「落ちこぼれを作らないが、優秀な生徒の才能は自主性に任せる」教育だとすれば、日本の教育は「優秀な生徒を優先し、落ちこぼれを作ってしまう」教育だと言えるのではないでしょうか。

出典:日本にフィンランド式教育は有効か-CLASE

今後は、「オールキッズキャリア教育計画」みたいなものを作り、今まで手をかけてこなかった、いや、構ってきたけど面倒はみてこなかった”本当は授業についていけてない子供たち”の学力向上と低所得家庭の情報格差是正に今からお金と人をつぎ込んで、キャリア教育難民を生み出さない教育システムを早く作らないと、20年後の日本は頭脳労働人材の取り合いでヤバいことになるのではなかろうか?(新卒採用もドラフト制になってたりして)

42の設立ニュースをきっかけに、こんなことまで考えてしまいました。

42は民間です。SB孫さん、やってみませんか?