Ladybug

最近心がカッサカサになってる人は必見!『八日目』

今回おすすめするのは、家族に捨てられロボットのような無機質な生活を送るエリートサラリーマンが一人の青年と出逢い、人間らしさを取り戻していく人間再生物語。1996年制作のフランス映画で、主人公を演じたパスカル・デュケンヌはその年のカンヌ映画祭で男優賞を受賞しました。

ダウン症の青年・ジョルジュは亡くなった母親に会いに行くために施設を飛び出し、冒険の旅に出る。同じころ、セールスマンの中年・アリーは、別居中の娘と妻に見放され、毎朝同じ時間に同じBGMで起きて、歯を磨き、鏡で作り笑顔をチェックして仕事に出かけ、仕事以外は誰とも話さず、次の日も、また次の日もロボットのように全く同じ行動を繰り返す生活をしていた。

この二人が偶然運命の出会いを果たしたところから”二人の物語”が始まっていくという一見重々しい感じを想像しますが、全くと言っていいほどそういった感情は抱きませんでしたね~。

本来の人間らしさを思い出させてくれるというか、いかに自分が低温になっているかがわかるというか、体がポカポカするっていう感じ。

すでに亡くなっているジョルジュの母親や大好きなミュージカルスターが語りかけたりと、ジョッシュの夢のような脳内劇場がファンタジックに描かれていたりする反面、障がいのある主人公が社会的な弱者としてだけでなく、周りに迷惑をかける存在として描かれている場面もあります。

しかし、主人公のジョルジュの心はいつどんな時も自由で人間らしいのです。その魅力にロボットのように心が固まってしまったアリ―は次第に惹かれてゆき、いつの間にか彼にはなくてはならない大切な”友達”になっていくんです。

観終わった後にきっといろんな感情を抱いている自分に気付きますが、その中身はおそらく本当に人それぞれだと思います。

でも、ジョルジュとの出逢いで心と家族を取り戻したアリーが語りかける次の言葉は、心が乾物みたいにカッサカサになっている人には間違いなく潤いがジュワーとしゅみます。

この世の初めは無だった。あったのは音楽だけ。
一日目、太陽が創られた。
二日目は海、次は体をくすぐる風。
三日目、神は草を創った。
四日目、神は牛を創った。
五日目は飛行機。
六日目、人間を創った。男と女と子ども。
七日目、神は骨休めに雲を創った。

神は考えた、”つくり忘れたものは?”

八日目の創造物は、ジョルジュ

神は彼に満足なさった。