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香りにとりつかれた男の悲しい性『パフューム ある人殺しの物語』

こんな衝撃的な映画、私はいままでに観たことがありません。
とにかく映像のクオリティがすごい!匂い、匂い、香り、匂い、香りと、全編を通して映像と音で匂いと香りを完璧に表現しているんです!

この匂いと香りを敢えて使い分けているは、キワモノ的作品だからです。最初に言っておきますが、途中で気分が悪くなるかもしれませんので、ご注意ください。

舞台は18世紀のフランス・パリ。悪臭漂う魚市場で産み落とされた瞬間にゴミのように捨てられるも、奇跡的に助けられ、孤児院で育てられたその男児の名はジャン=バティスト・グルヌイユ。彼は超人的な嗅覚をもって生まれてきたんですけど、生まれた瞬間からしてその才能は発揮されているんですよ。

それが予告編にも使われているのですが、一人の子どもが生まれたばかりのグルヌイユの鼻先に近付けたその指を、秒速で握って匂いを嗅ぐシーン。さっき産み落とされた赤子がですよ。まさに生まれながらにしての才能発揮。

「んなわけないでしょ」と軽くツッコミを入れたことはさておき、成長したグルヌイユはある日、街ですばらしい香りに出合うんです。その香りを辿っていくとそこには1人の赤毛の少女がいて、その少女の体臭にこの上ない心地よさを覚えちゃったグルヌイユは、誤ってその少女を殺害してしまうんですね。しかし、そこから究極の香りに取り憑かれた彼の狂気が目覚めてゆくわけです。

グルヌイユはその類まれなる嗅覚を活かし、パリきっての人気調香師となるのですが、彼の野望は究極の香り作ることただ一つ。そしてその香りの”素”は、そうです、女性の肉体が持つ”香り”なわけです。

この香りを保存するための方法を編み出した彼は、次々と女性を殺していき、その”素”を抽出(この方法がまたエグい)した小瓶を12本を集め、ついに究極の香りを完成させるのですが、ここからの展開がまたすごい!

まさに世界がその香りにひれ伏す驚愕のクライマックスは、もう・・・・言葉になりません。観て、観て、・・・うおおー(はっ、すみません取り乱してしまいました)

彼はその究極の香りで全ての人々を支配し、神と崇められる域まで達するわけですが、その瞬間、何かを悟るのですね。

そう、人々が求めるのは自分ではなく、その究極の香りであること。

その香りがなければ自分は”無”であること。その香りがなければ誰からも愛されないということを。

彼が追い求めて止まなかったのは、本当は誰かに愛されることだったんですねぇ~。

そのことを悟った彼が最後にとった行動は・・・あまりにも悲しすぎる結末に、何とも消化しきれないやるせなさを引きずる感じがたまらなく魅力的な作品でした。

ただ、本当にクライマックスが衝撃的なんで、できれば独りになれる空間で観るのを強くオススメします。

予告編Movie