This_Must_Be _the _Place

日常的に”何かが変だ”と感じている自称”大人”にオススメ『きっと ここが帰る場所』

小学生のころから自分の内側の”違和感”が行動の動機になっていた私にとっては、この映画の主人公が執着する”何かが変だ・・・”は、すんなり入ってくるフィーリングなのですが、そうでない方にはなかなか理解しづらい作品かも。

主人公のシャイン(ショーン・ペン)は、昔、人気ロックスターだったんですけど、ある理由で歌うことを辞めてしまい、そこから彼の時間が止まってしまったかのようなひきこもり生活を送っていたのですが、そんな彼のもとに父親危篤の連絡が入り、疎遠だった父親に会いにニューヨークへ行くと、父親は既に死亡。そこで父親がナチSS隊員ランゲを探す旅をしていたことを知った彼は、父親の遺志をついで、色々な人に会いに行く旅に出るのです。

時間が止まってしまったというのは文字通りで、50歳を超えているであろう今でもいでたちは化粧をしたパンクロッカーなのです。

だから外出すれば周りに変な眼で見られるし、笑われます。

そんな状況も含め、彼は、ずーっと”何かが変だ・・・”という気持ちを感じながら毎日を暮らしてきたのですが、父の遺志をついで出たナチスのSS隊員を探す旅の中で様々な人物に出会うことで、その違和感が少しづつ、ゆっくりと解けてゆく感じが描かれてます。

繊細、混沌、過去、憎しみ、怒り、執着、葛藤、解放、寛容、心地よい距離感、全部が溶け合った感じで予測不能な場面が細切れで淡々と進んで行くから、シュールなだけって印象しか抱けない人もいると思うけど…

「子どもの時間を生きてきた中年の元ロックスターが本当の大人になる物語」とでもいいましょうか、”子ども大人”があふれる世の中に「大人になるってそういうことか!」と、その真理に気づかせてくれる作品ともいえるかなぁ。

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