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その出逢いを必然にするかどうかは自分次第『デンジャラス・マインド』

スラム街の劣悪な環境で育った問題児ばかりが集まった高校で、動詞が何なのかも知らない生徒たちが勉強に興味を持つよう、新任教師のルアン(ミシェル・ファイファー)はあの手この手の作戦を展開。

「殺らないと殺られる」というタフな環境の中で生きる生徒たちに希望を与え、なんとか救おうと孤軍奮闘する女性教師の姿を描いた実話。

裕福な高校生の青春物語のように単純なストーリーではなく、社会問題を含んでかなり込み入っているが故に、心に刺さるオーマイガッ!が満載なのです。

注目したいのは、学ぶことの楽しさを教えるためにルアンが採った方法。最初のうちは無視をする彼らの気を引こうとお菓子や海軍のまねごとをするも撃沈。

しかしボブ・ディランのヒット曲「ミスタータンブリンマン」を使った詩の課題は彼らにハマりましたね~。

それは歌詞の内容からそこに隠されたメッセージの意味を自分たちで考えて、同じようなメッセージが隠された詩人の作品を当てるというもの。なんだかんだ文句を言ってた彼らも徐々に学ぶ楽しさを知り始めるんですね。

でも詩を学んだところで毎日が生きるか死ぬかのスラムでは何の足しにもならないとか周りの大人たちが言っちゃうわけですよ。

テンションが下がった生徒たちが自らの不幸な境遇を劣悪な環境のせいにするのをみてルアンは、「周りのせいにして被害者面しないでよ」と逆ギレするわけです。だからこそ知性と理性が最も強い武器になること、そして自らの選択によって人生は変えられるいうことを生徒に教えるんです。このくだりはほんとに心が震えたなぁ。

「学ぶことの楽しさ」「信頼される喜び」「できるという自信」この3つがそろえば、人は絶望を選択することを止め、希望を選択することができるようになるのだということを、私はこの作品を通して教えてもらった気がします。

熱血教師のただの奮闘記という見方をする人もいるでしょうが、心に刺さる名ゼリフはすべてルアンが発した言葉です。(脚色はあるでしょうが)

イギリス元首相サッチャーの名言を借りれば「その人の考えが言葉になる」のであり、他の誰でもない、ルアンだから多くの生徒たちに影響を与えることができたような気がします。

理解者との出逢いが人生を変えるといえば、もう一つおすすめなのが「小説家を見つけたら」(予告編)。スラムで生きる天性の文才をもつ黒人青年と伝説的な小説家との心の交流を描いた作品です。